日本料理の代表格に「懐石料理」と「精進料理」が挙げられます。「懐石料理」は、千利休が茶道を確立していく中で、茶会で供する食事として形作られ、侘び寂びの趣を大切に、客人をもてなす料理です。懐石とは、修行中の禅僧が空腹や寒さを凌ぐために懐に入れていた温めた石の事であり、懐石料理には、禅の精神が色濃く反映されているわけです。 　もともと、日本食は一汁三菜を基本にした菜食料理が中心でした。旬の食材を使い、もてなしの心を大切にしながら素材の持ち味を生かした調理の工夫がされてきました。精進料理や懐石料理を基に、現在では「会席料理」や「料亭料理」として、見た目にも華やかな日本料理として味わうことが出来ます。